チャイコフスキー
①幻想序曲『ロメオとジュリエット』
②『くるみ割り人形』組曲 op.71a

指揮：ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1982年9月　(デジタル/セッション)

1983年にカラヤンの75歳を記念して発売されたアルバムで、両曲ともカラヤンにとっては4回目の録音。80年代の代表的な名録音であり、ベルリン・フィルのドラマティックなスケール感と緻密さが作品の魅力をあますところなく伝えてくれる名演です。

カラヤンはチャイコフスキーを得意としており、交響曲については全集を含め後期三大交響曲集を繰り返し録音するとともに、４度にわたるピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲、そして主要な管弦楽曲など、とてつもない数の録音を行っている。本盤におさめられた幻想序曲「ロミオとジュリエット」及び組曲「くるみ割り人形」も、両曲ともにカラヤンによる４度目の録音。演奏はさすがのカラヤンで、音の一音一音までクリアで、音が立っているような印象です。細部までとても繊細な演奏でテンポも絶妙でとても良いと思いました。残念なのは『ロメオとジュリエット』が23分ほどにまとまっているのですが、全編できいたほうが絶対に良いとは思います。それぞれの曲全てを順にきいてゆくと、場面が思い浮かび不穏な情景から、有名な美しい愛のテーマまでがよりいっそう深く味わえます。この演奏がとても良いだけに、コンパクトにまとまっているのがちょっと残念な気がします。また、くるみ割り人形の割合の方がこのCDの中では多いのですが、こちらも演奏においては素晴らしいとしか言いようがありません。モチーフは子供向けのようなものですが、すべての楽器の音色の美しさを再確認できるような、微に要り細に入る丁寧な演奏。こちらもあまりに洗練されているので全曲でききたくなるのが惜しいところです。『ロメオとジュリエット』もくるみ割り人形も全曲できくとなると相当ながいので、気分によってわけていますが、このコンパクト版も演奏がとても良いのでお薦めです。CDジャケットも気に入っている1枚です。

国内盤【CD本体は西独盤】盤面傷無し 17

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